高齢期の猫が気をつけたい病気を紹介
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医療の発展により猫の平均寿命は伸びつつあり、2019年にペットフード協会が発表した「全国犬猫飼育実績調査」によると猫の平均寿命は15歳とされています。
しかし、平均寿命が伸びているとはいえ、年齢を重ねるごとに猫が衰えていくことに変わりはありません。
高齢猫になると免疫力や体力の低下により、かかりやすい病気が増えてきますし、これまで以上に猫の健康に気を配る必要があります。
愛猫に健康な高齢期を過ごしてもらうためにも、高齢猫がかかりやすい病気について知っておきたいですよね。
今回は高齢猫に多い病気と飼い主が注意すべきことを紹介していきます。
参考:令和元年(2019年)全国犬猫飼育実態調査結果
慢性腎臓病
慢性腎臓病は高齢猫の宿命ともいわれており、高齢猫の大半がかかる病気です。
徐々に腎臓の機能が低下していき、まずは多飲多尿などの症状があらわれはじめ、次第に食欲低下や嘔吐などの症状もみられるようになります。
猫の飲水量が増えたりトイレにいく回数が増えたときは慢性腎臓病の兆候かもしれません。
また腎臓病は発見が遅れると治療が難しくなるため、日頃から飲水量やトイレに気を配り異変があればすぐに動物病院で検査してもらいましょう。
心臓病
猫は年齢を重ねると心臓の筋肉に異常が起きることがあり、心臓病にかかりやすくなります。
特に高齢猫がかかりやすい心臓病は「心筋症」と呼ばれる病気です。
心筋症は目立った初期症状がおきないため、病気が重症化するまで気づかないケースが多いです。
予防も難しいので、定期的に動物病院で検査してもらうのがいいでしょう。
甲状腺機能亢進症
甲状腺の機能が活発することで、食欲が増す・イライラして攻撃的になる・行動が活発化するなどの症状があらわれます。
一見元気そうに見える症状のため、多くの飼い主が見過ごし発見が遅れてしまいがちな病気です。
放置すると体の負担が増えさらなる体力の低下や、食欲の低下などがおきるようになります。
年のわりに元気そうにしている、食事量が増えたのに全く太っていないなどの異変を感じたらすぐに病院で検査を受けましょう。
リンパ腫
リンパ腫とは高齢猫がかかりやすい「がん」の1種です。
白血球の「リンパ球」が腫瘍化し、体にさまざまな悪影響を及ぼすようになります。
リンパ球は体の至るところに存在するため、体のどこに発症するのかわかりません。
また、発生した部位によって症状が変わるため病気の特定がしづらいです。
リンパ腫は白血球ウイルスへの感染が原因となって発症することが多く、室内飼育に切り替えたりワクチンを摂取してウイルス感染を抑えることで予防できます。
関節炎
猫も年を取ると人間と同様に関節や骨格が弱っていきます。
その中でも多い病気が「変形性関節症」と呼ばれる関節炎です。
猫は高所が好きなので、よく家具の上にのぼったりしますよね。
しかし関節炎の場合、関節に痛みを発するため高所にのぼったりするような行動をとらなくなります。
年のせいだと思う飼い主さんも多いですが、悪化すると歩く・座るなどの一般的な動作にも支障をきたしてしまうれっきとした病気です。
猫の動きがぎこちない、高所にのぼらなくなったなどの症状がみられた場合は病院で痛み止めの薬を処方してもらいましょう。
高齢期の猫は健康管理が大事
今回は高齢猫がかかりやすい病気の代表例を紹介していきました。
高齢猫が快適に過ごすためには飼い主さんの健康管理が必要不可欠です。
普段から愛猫に異変がないかチェックしておきましょう。
今回紹介した病気の中には症状があらわれにくいことから、発見に遅れがでるものもあります。
重症化してからでは手遅れになるケースもあるので、定期的に健康診断を受けてくださいね。