猫から人間に感染する病気
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ついつい猫を触った手でそのまま食事したり、猫に顔をうずめたりしていませんか?
猫を含め動物から人間に感染する「人獣共通感染症」と呼ばれる病気が存在するため、愛猫との過剰接触は私たち人間に危険を及ぼす可能性があります。
人獣共通感染症とは感染している猫との過度な接触や、排泄物を通して人間に感染する恐れがある病気です。
ウイルス・細菌・真菌・原虫・寄生虫など、さまざまな病原菌が原因となって引き起こされます。
中には猫に症状の出ない感染症もあるので、ご自分の猫が健康そうだからといって油断してはいけません。
今回は猫から人間に感染しやすい病気を紹介していくので参考にしてください。
猫ひっかき病
猫からひっかかれたり噛まれたりすることで、傷口からバルトネラ・ヘンゼレと呼ばれる細菌が感染し発症する病気です。
リンパ節炎・発熱・頭痛・食欲不振などの症状を引き起こします。
すべての猫が猫ひっかき病に感染している訳ではありませんが、猫にひっかかれたり噛まれた場合は念のため傷口を入念に消毒しましょう。
Q熱
猫に潜むリケッチアと呼ばれる病原菌が、便や尿の飛沫を通して人間に感染する病気です。
2~3週間の潜伏期間を経て、発熱や悪寒、筋肉痛などの症状を引き起こします。
猫は感染していても症状が出ないため、日頃から猫のトイレ掃除をしたあとは丁寧に手を洗うなどの予防が必要です。
パスツレラ症
100%の猫が口内に保有するパスツレラ菌が人間に感染することで発症する病気です。
パスツレラ菌は猫ひっかき病と同様に、猫に噛まれたりひっかかれたりした場合や、口移しでエサをあげたりするなど過度なスキンシップが原因で感染します。
また、猫のくしゃみや咳によって空気中に吐き出された菌が感染する場合もあります。
おもな症状は傷口の化膿・発熱・肺炎・気管支炎などが挙げられ、免疫力が低下している人は症状が悪化する傾向にある危険な病気です。
口移しやキスなど過度なスキンシップは控えるようにしましょう。
サルモネラ症
食品や細菌が原因で感染する病気で、人間が感染すると腹痛や下痢などの急性胃腸炎を引き起こします。
成猫は症状があらわれませんが、子猫は下痢や嘔吐などの症状があらわれるので、その場合は病院に連れて行ってあげましょう。
サルモネラ症は便を通して人間に感染するため、予防として普段から猫のトイレ掃除には気を遣い、掃除後は手洗いうがいを欠かさずにおこなってください。
皮膚糸状菌症
猫の皮膚に真菌が感染することで痒みや脱毛を引き起こす皮膚病の一環です。
感染中の猫と接触を起こすことで人間にも感染し、猫と同様の症状を引き起こします。
猫に円形の脱毛やカビが生えているなどの症状がみられる場合は、極力接触を避け病院へ連れて行ってあげましょう。
トキソプラズマ症
トキソプラズマ症は原虫の感染によって起きる感染病です。
感染している猫の便から原虫が発生し、人間へと感染します。
人間は免疫力に問題が無い方は症状があらわれない、またはリンパ節炎や発熱などの症状を引き起こす程度で済みます。
しかし、抗体をもたない妊婦さんの場合、感染すると胎盤を通じて胎児に感染し流産や胎児に先天性の疾患を残す可能性がある危険な病気です。
妊婦さんは他の家族に猫のトイレ掃除をお願いするなどして感染に気をつけてください。
猫は一般的に症状があらわれることはありませんが、免疫力が低下している場合は発熱や食欲不振などの症状がみられるのでそちらも注意してくださいね。
感染を予防する方法は?
猫の病気に気を遣うのはもちろんですが、飼い主さん自らの健康にも気を遣うようにしてください。
感染症予防のために心がけたい具体的な予防法は以下の通りです。
- キスや口移しなどの過度なスキンシップをとらない
- 猫をさわったあとやトイレ掃除のあとは手洗いうがいをする
- 屋外での感染を防ぐため室内飼育にする
自身と愛猫の健康のためにも日頃から感染症の予防を心がけてくださいね。